鍵を握るのはバランス感覚

「土地は南向きでいい形にした方が良い」
「家は2階建てにしてできるだけ広くしたほうが良い」

これらの考え方は、
多くの方の家づくりのベースとなっているのですが、
この2つを採用すると、家づくりにかかる総コストが
確実に高くなります。
土地と家にかかるコストがいずれも
割高になってしまうからです。

なので、個人的にはこの2つとは
真逆の道の家づくりを、
つまり、できるだけ予算を抑えながら
家を建てる方法を推奨しています。

必要かどうか再考してみる

年々、共働き世帯の数は増えていっていますが、
その結果、奥様は家事と育児と仕事に追われ、
ホッと一息つく間もないくらい
忙しい日々を過ごしているのではないでしょうか。

なので、現在は家事負担が減るような
家づくりが主流となっているし、
リビングダイニングが仕切りなく1つの空間となり、
対面キッチンになっているのも、
実は忙しい女性にとって優しいつくりなんです。

例えば、キッチンがダイニングやリビングの方に
向かっているということは、
ダイニングで勉強する子供の様子を見ながら、
食事の準備や片付けができるということですよね。

また、リビングで遊ぶ子供の様子を見ながら、
食事の準備や片付けもできますよね。

さらに、広々としたリビングで勉強したり、
遊んでる子供たちの様子を見ながら、
取り込んだ洗濯物を畳むこともできます。

つまり、現在では
スタンダードとなっている対面キッチンは、
忙しい現代人にとって「ながら作業」ができる
ベストな形ということですね。

そして、そう考えると
わざわざ洗濯物を畳んだり
アイロンがけをするためだけにつくる「家事室」は、
別段つくる必要もなさそうな気がしませんか?
わずか3帖という広さだとしても、
100万円前後のコストがかかってしまいます。

また、客間(和室)も
本当に必要かどうか考えるべきではないでしょうか。
というのも、そもそもの問題は、
使ってない時間の方が圧倒的に高いからです。

仮に親御さんが泊まることがあるとしても、
年に数回でしょうし、その時もわざわざ客間で
寝なくても、リビングに布団を敷いて寝るか、
おそらく寝室として使っていないであろう子供部屋に
布団を敷いて寝てもらえばいいですよね。

ということで、ざっと大体200万円ほどかかるこの部屋も
本当に必要なのかどうかを再考していただくと
いいのではないかと思っています。

最大と最小のどちらも考える

仮にあなたが子育て真最中だとしたら、
家族の人数が最大か、最大になろうとしている
タイミングで家を建てている状態です。
また、現在の暮らしが賃貸アパートだとしたら
リアルタイムで部屋と収納の少なさに
苦しめられている状態だと思います。

なので、保険的な意味合いも込めて
少しでも広い家を建てたいとお考えになるでしょう。

しかし、やがて子供たちは家を出て行き、
いつかは夫婦だけでそこで暮らすことになります。
つまり、やがて部屋は確実に余るということです。
なので、最大の時のことだけを考えて
家づくりを計画するのではなく、
いつか訪れる最小になるときのことも同時に考えながら、
家づくりを計画してもらえたらと思います。

家の価格も含め物価が上昇しつつある現在は、
こういった合理的な考え方を持っていただくことが
より大事なのではないでしょうか。

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