家づくりに失敗しないための視点

一般的に北向きの土地は日当たりが悪いか
あるいは悪そうなイメージから敬遠されがちです。

実際、南に隣接して2階建ての家が建っている場合、
日中、土地の半分くらいが
陰になっていることが多いのですが、
仮にあなたが、そんな土地に家を建てなければいけないとしたら、
どのような要望を建築会社にお伝えしますか?

北向きの土地で1番課題になるのが、
リビングダイニングキッチンの
明るさをどのように確保するのかです。

南からの光を採るために、南にリビングを配置しても
光は入ってこないでしょうし、
かといって、光を確保するために、
南に隣接する家からできるだけ距離を離そうとしても、
土地にかなりの奥行きがなければそれもできないからです。

また、南から光が採りにくい場合、
東や西から補助的に光を採ろうとしますが、
この場合も、その方向に家が隣接して建っているとしたら、
光が十分に入ってこないし、
逆に家が建ってないとしても
丸見えになってしまうとしたら
カーテンで光を遮断してしまいます。

周りの家の位置関係も確かめながら、
実際暮らし始めたら
どういう状況になるのかまで考えた上で、
間取りを考えていかないといけません。

間取りは単純に動線や使いやすさだけを
考えてつくればいいわけではないので、
これが家づくりの難しいところです。



固定概念がもたらす後悔

そして、北向きの土地の場合、
「南向きで部屋をつくらなければいけない」と思いながら
家づくりをしてしまうと、
家の見た目が悪くなるとともに、
家が汚れやすくなってしまいます。

トイレ、洗面、お風呂などの水回りが北面、
つまり家の正面に配置されやすくなるからです。

水回りが家の正面に配置されると、
窓がたくさん正面にできると同時に、
サイズや位置も不均一なため、
外観のバランスが崩れやすくなります。

また、水回りには換気扇も必要なので、
外観が崩れてしまいます。

そして、この窓や換気扇が、
外壁を汚す大きな原因となります。
窓や換気扇から伝う垂れジミや、
換気扇から出る黒ずんだ汚れが、
家の正面にその数だけできてしまうからです。

結果、見た目が美しくない家になってしまうだけではなく、
非常に汚れも目立ちやすく、
後悔が絶えない家になりやすいというわけです。

なので、北向きの土地で気を付けるべきことは、
「部屋を優先して日当たりの良い場所に配置しなければいけない」
という思い込みを持ったまま家づくりをしないということです。

安定した採光を確保するためには、
隣接する建物から十分な距離を確保する必要があるのですが、
北向きの土地の場合、
単純に部屋を南に配置するだけでは、十分な採光は確保できません。

また、光を阻害する建物がない方向に
窓をつくることによって採光を確保するにしても、
その方向が丸見えになるのだとしたら、
プライバシーの担保のためにカーテンをせざるを得ません。

この問題を解決するためには、
その部屋の役割と使い方をよく考えた上で、
どんな窓をどこに配置するべきなのかを
考えながら部屋の配置を決めなければいけません。

そして、それには
周りの家の位置関係が密接に関係してきます。

ということで、家を建てるときは
単純に動線や使い勝手だけではなく、
こういった視点も持ちながら、
土地選びと間取りづくりをしていただければと思います。

PageTop