「賃貸」VS「マイホーム」の盲点
このまま賃貸に住み続けるのか?
いっそ家を建てた方がいいのか?
結婚してからある程度過ぎれば、
誰もがこの2つの選択の間で揺れ動くと思います。
・暮らしがより豊かになること
・電気の自給自足ができること
・住宅ローン金利の中に生命保険が含まれていること
以上の3つの理由から
少しでも早く家を持った方がいいと思っているのですが、
しかし一方で、
持ち方によっては取り返しがつかない失敗となり、
老後はもちろん、これからの暮らしまでも
窮屈になる可能性が高くなってしまうことから、
家を建てずにずっと賃貸で住み続けた方がいい場合も
あるなとも思っています。
ということで今回は、
この2つの比較をリアルな数字を入れつつやっていきたいと思います。
ずっと賃貸という選択肢
では、あなたが
現在支払っている家賃を7万円、
長期積立投資に回せるお金を6万円として、
(貯金ではなくて長期積立投資にしてください)
35年後の状況はどうなっているか
考えていってみましょう。
まず、将来手元に残る不動産という資産は
ありませんよね。
しかし、家を持たない分、
固定資産税や家の修繕費用などが一切かからないため、
これまで通り、ゆとり資金の6万円を
毎月コツコツ積立投資に回すことができます。
そうなると、仮にこのお金が毎年2%ずつ
増えていったと仮定すると、
35年後手元には約5040万円もの
お金が残っていることになります。
なので、仮に将来賃貸物件で
住みにくい状況になったとしたら、
この増えた資金を使って
ご実家をリフォームして住むもよし、
建て替えて住むもよし、
あるいはご実家がない場合は、
住みたい場所で土地を買って家を建ててもよし、
老人ホーム的な所に入ってもよしではないでしょうか。
新築するにしても、
子どもたちは巣立っていると想定すると
家をコンパクトにできるため
割安で家を建てることができるし、
土地を買うにしても
学校のことを考えなくてもいいことから
住む場所を柔軟に考えやすいでしょう。
おそらくそれ以降は、生きている間、
家に手を加える必要もないでしょう。
こういった見方をしてみると、
ずっと賃貸という生活も
決して悪くないとかなと思います。
家を持った場合
では、続いて家を持った場合
どうなるのかを考えてみましょう。
この場合、先程の家賃並みで
家を手に入れようとしたら、
銀行からの借入金額を2500万円前後に
納めなければいけないのですが、
もしこれが無理だとしたら
一体どうなるのでしょうか?
仮に1000万円オーバーの3500万円を
銀行から借りざるを得ないと仮定すると、
家賃よりも3万円も出費が増えることになります。
そして、家を持つことによって
必要となる固定資産税と火災保険、
そして定期的にメンテしていくための
積立費用を合わせると、
毎月さらに3万円程度の出費が
必要になってくると
考えておいた方がいいでしょう。
となると、賃貸暮らしの時より
6万円も毎月の出費が増えるわけですが、
こうなると積立投資をしていく
お金が全くなくなってしまいます。
つまり、家を持ったは良いが
全くお金は増えていかないということですね。
では35年後
一体どのようになっているのでしょうか?
まず、積立投資ができないので、
現金資産はゼロということになりますよね。
続いて、不動産という資産はどうでしょうか?
建物に関しては、価値はゼロですね。
木造建築の償却期間は22年なので、
これを超えると価値はゼロになります。
土地に関してはどうでしょう?
ここは東京や京都ではないので、
今後土地の価値が上がることはないでしょうし、
むしろ下がっていくと考えた方がいいでしょう。
となると、買った値段と同じか、
あるいは幾分価値が下落していると
考えるのが妥当ではないでしょうか。
つまり、仮に買った土地の値段が
1000万円だとしたら、
かろうじて1000万円くらいの
価値が残っているということなので、
売却した場合、それくらいの
現金にはなるということですね。
ただ、この場合土地を売却せず
それなりのリフォーム工事をして
住み続けていくでしょうから、
その費用が必要になりますよね?
キッチンやお風呂やトイレなどの設備品の
入れ替えも含めた大掛かりな工事費用も
必要になります。
となると、500~700万円ほどの
出費が再び必要となるし、
これに加えて1階に
部屋数を増やさないといけないような
家を建ててしまっているとしたら、
さらに増築費用まで必要になってきます。
結果、1000万円くらいの出費が必要となり、
再びローンを組むことになるか、
子どもたちが巣立った後、
できたゆとりで頑張って貯めてきた貯金を
捻出しなくてはいけなくなってしまいます。
これが家づくりのやり方を
間違えてしまった場合のリアルな結末です。
以下がでしたか?
想像したらゾッとする結末だと思いませんか?
というわけで、
こんな結末を迎えないようにするために、
土地探しやプランをする前に
よく考えて資金計画を行うようにしてください。
ポイントは、積立投資の余力を残しつつ
家を建てることができるかどうかですね。
それさえできれば、
絶対に家を持った方が良いというのが
私自身の考えです!!