中庭がある平屋の現実
「平屋にしただけでも
家が高くなると思うんですけど、
さらに中庭をつくるとなると、
外壁の面積も増えてしまって
高くなりませんか?」
時々、このようなご質問をいただくのですが、
この質問は、なかなか的を射ているといってもいい質問です。
つまり、この質問に対する答えは
基本的には「YES」であり、
そうなってしまうがゆえに、
平屋や中庭の提案ができない住宅会社もあるのではないでしょうか。
(そもそもその発想さえない会社も多いと思います)
しかし、中庭をつくることによって
カットできるものもあれば、
平屋にすることによってカットできるものもあり、
その2つを上手く組み合わせることさえできれば、
コストを上げることなく「中庭がある平屋」を
建てることができるので、
今回は、このことについてお伝えしていきたいと思います。
では、まずは「中庭」をつくることによって
カットできるものについてからです。
そもそも中庭をつくる理由
SINPLE NOTEの家になぜ中庭が多いのかというと、
本当に居心地のいい空間をつくるためには、
採光の確保とプライバシーの担保を
両立させる必要があるからです。
たとえば、多くの家が
周囲に向かって大きな窓をたくさんつくっていますが、
そこからは光とともに視線も入ってきます。
となると、カーテンなしでは
居心地の悪い家になってしまいますよね?
いつも誰かに見られながら
暮らすことになるからです。
そして、ほとんどの窓にカーテンを設置するわけですが、
となると、当然光まで遮ってしまうことになりますよね?
レースだけでは部屋の中が見えてしまいます。
一方で、中庭をつくると
中庭につくった窓は、
外からの視線を全く気にする必要がありません。
見えるのは自分の家の中のどこかの部屋か
自分の家の外壁のどちらかです。
なので、その窓には視線を遮るために
カーテンを付ける必要がなくなります。
(方位によっては陽射しを調節するために必要となりますが)
また、カーテンいらずの中庭の窓は、
日中ずっと安定的に光を届けてくれることから
家の外周部に大きな窓を設置する必要がなくなるし、
窓の数をやみくもに増やさずとも、
十分家の中を明るくすることができます。
以上のような理由から、「中庭」には、
窓にかかるコストをカットできるという効果と、
カーテンにかかるコストをカットできるという
2つの効果があるということですね。
では、続いては平屋にすることによって
カットできるものですね。
圧倒的な住みやすさが平屋の特徴
平屋には、あなたが想像している以上に
多くのメリットが存在するのですが、
そのうち1つが「圧倒的な住みやすさ」です。
アパート暮らしの方なら、
共感いただけると思いますが、
これまでと同様にワンフロアのまま
部屋や収納が増えるわけですからね。
例えば、2階建ての場合、
子ども部屋を2階につくる方が圧倒的に多いと思いますが、
実はこれがリビングを汚す最大の理由となります。
小さな子供たちは
親と離れた場所に居たがらないし、
いちいち2階まで自分の物を
持っていかないですよね。
なので、このような家には
1階に和室をつくっている場合が多いのですが、
仮に子供部屋を1階につくることができれば
この部屋をつくる必要なんてないような気がしませんか?
となると、この部屋分
丸々家を小さくすることがでできるので、
その分建築コストを縮めることができますよね?
平屋だと階段も必要ないし、
トイレも1つ減らすことができます。
この他、設計のやり方によっては
ただ通るだけの廊下も省くこともできるし、
それぞれの部屋(寝室・子供部屋)の広さも、
寝るだけだと考えると、
最小限にしても支障ないかと思います。
そんなこんなで「中庭がある平屋」を
こなれた価格で建てることができるということですね。
ただし、後者の家をコンパクトにするというアイデアには、
あなたの理解が必要不可欠となります。
部屋の数や広さ、配置を指定されたり、
坪数や坪単価にこだわると
実現できません。
ということで、
上記のような価値観にこだわらず
居心地がよくて住みやすく、
おまけにおしゃれなデザインの家を
こなれた価格で建てたいなーとお考えの方は、
ぜひ、このアイデアを参考にしていただければと思います。