単独名義と共有名義

家を建てるにあたって、
名義は単独の方がいいのか?
それとも夫婦共有にするべきなのか?で
悩まれている方もいらっしゃると思います。

基本的には、単独名義をおすすめしているのですが、
事情によっては
共有名義にせざるを得ない場合があるのと、
共有名義にした方がいい場合があるので、
今回はこの2つの場合について
お伝えしていきたいと思います。

では、まずは
共有名義にせざるを得ない場合から
お伝えしていきますね。

収入合算が必要な人

仮に、あなたが家を建てるにあたって
銀行から3000万円借りたいとしても、
あなたのご主人の年収が400万円以内では、
基本、銀行から満額借りることができません。

銀行が貸してくれる限度額は、
年収の5~6倍程度だからです。
(常識的に考えると、
この範囲を超えてお金を借りるのは、
ローン破綻の可能性を高めるだけです)

なので、この場合、
奥様が働いているとしたら、
奥様の収入も合算して
ローンを申し込まざるを得なくなります。

結果、奥様も名義人になるということですね。
(名義を入れなくていい場合もありますが、
住宅ローン控除のことも考えると
名義人になった方がいいので詳しくは後ほど)

では、続いて
共有にした方がいい場合について
お伝えしていきますね。

住宅ローン控除を最大に使い切る

例えば、
住宅ローン控除の対象となる金額が3500万円で、
ご主人の年収が400万円、
奥様の年収が200万円だとしたら、
ご主人の持分を3分の2、奥様の持分を3分の1、
にすると、住宅ローンの控除の枠を
いっぱいまでに使い切ることができます。

では、ご主人の所得税を8万円、
住民税を16万円、
奥様の所得税を4万円、
住民税を8万円と仮定して、
簡単に計算していってみましょう。

1年目の年末の借入残高を
3430万円とし、毎年70万円ずつ
借入が減っていくと仮定すると、
このご夫婦が受けられるローン控除額は、
1年目:24.01万円
2年目:23.52万円
3年目:23.03万円
4年目:22.54万円
5年目:22.05万円
6年目:21.56万円
7年目:21.07万円
8年目:20.58万円
9年目:20.09万円
10年目:19.6万円
11年目:19.11万円
12年目:18.62万円
13年目:18.13万円

となるのですが、
仮にご主人の単独名義で借入をした場合、
この恩恵を上限いっぱいに受けることができません。

今後13年間、ご主人の給料が変わらないとしたら、
ご主人が受けられる控除のマックスは
所得税8万円+住民税13.65万円を
合わせた計21.65万円だからです。
(住民税は控除の上限は13.65万円です)

つまり、13年のうち、
最初の5年間は控除枠を
使い切れていないということですね。

一方で、ご主人の名義を3分の2にし、
奥様の名義を3分の1入れてみると、
1年目から上限いっぱいまで
使えることになります。

以下、1年目の計算式です。

1年目の借入残高の0.7%=24.01万円
(↓控除可能な所得税と住民税の合計額↓)
ご主人:24.01万円×3分の2=約16万円
奥様:24.01万円×3分の1=約8万円
(↓返してもらえるお金の上限↓)
ご主人:8万円+13.65万円=21.65万円
奥様:3万円+6万円=9万円

共有名義にし、
持分比率さえ間違えなければ、
住宅ローン控除の恩恵を最大まで
引き出すことができるということですね。

予算設定の基本

この2つに該当する場合は、
夫婦で住宅ローンを申し込むことになるのですが、
忘れてはいけないのが、
自分たちの収入とバランスが取れないような借入は、
絶対にしてはいけないということです。
ここで、この話をすると長くなるので、
今回は割愛しますが、
これからの暮らしのことを考えると、
銀行から借りてもいい額は、
年収をベースで考えるとしたら、
ご主人の年収の6倍までに
とどめておくべきだと思います。

400万円としたら2400万円だし、
500万円だとしたら3000万円だし、
600万円だとしたら3600万円ですね。

これを超えて借り入れするのは、
これからの不確実で不安定な社会の中では、
かなり危険だと思っています。

なので、できれば収入合算しなくていい範囲で、
家づくりをしてもらえたらと思います。

建築コストが上がってしまった現在、
これは難しい話かもしれませんが、
できるだけこれを心がけながら
資金計画をしてもらってくださいね!

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