数とコストと管理のしやすさと
「明るくて開放的で風通しの良い家にしたい」
という願いから、
ついつい窓の数が多くなってしまうのですが、
窓が多くなれば、耐震性も悪くなるし、
断熱性も悪くなるし、
掃除場所も増えるし、
外壁も汚れやすくなるし、
戸締りの心配も増えます。
なので、窓のつくり過ぎで後から
後悔しないために、
今回は、窓をつくり過ぎた方が
どんな風に暮らしているのかを
お伝えしたいと思います。
多くの方が家を建てる前は、
賃貸アパートかマンションに
住まれているかと思いますが、
これらの住まいにはそもそも窓がそれほどありません。
おそらくベランダに出られる窓が1つか2つと、
玄関脇の共有部分に面した窓が1つの、
計2つか3つといったところでしょうか。
なので、賃貸住宅では、
窓の管理が全然大変ではありません。
一方で、家を建てると窓の数が一気に増えます。
賃貸では2方向しか窓がなかったのに対し、
東西南北4方向全てに窓ができるし、
かつ、それが1・2階両方となるからです。
また、防犯性や意匠性を考慮してか、
小さなデザイン窓をたくさん使うので、
窓だらけになってしまいます。
これまで2~3か所だった窓が
一気に20か所以上になってしまうというわけです。
(30か所くらいになる家もあります)
そして、最初のうちは
風通しを良くするために、
こまめに窓を開けたりするのですが、
これが新たな心配事を発生させます。
「あれ?あの窓閉めたかな?」
「あれ?あの窓鍵かけたかな?」
という心配事を。
そして、いつの間にか
窓を開けなくなっていきます。
開けてしまうと、いつ閉めたかどうかが
気になるからです。
そして、いつしか決まった窓しか
開けなくなってしまいます。
それどころか、開けない窓はカーテンも
閉まったままになり、
光すら入ってこなくなるかもしれません。
管理できる範囲で作る
この事実から言えることは、
窓はやみくもに増やすべきではないということです。
増えたら増えた分だけ管理が行き届かなくなり、
する必要のない心配事が増えるからです。
また、冒頭でもお伝えしたように、
確実に耐震性も悪くなるし、
確実に断熱性も悪くなるし、
確実に家も汚れやすくなるし、
確実に掃除の手間も増えるからです。
そして、窓が増えれば、
それに反比例するかのように
収納も減ってしまいます。
窓が増えるということは、
イコール家の壁が減ることであり、
家の壁が減れば、
設置できる棚の範囲が少なくなるからです。
その結果、思っていたよりも
モノが置けず収納の中に所狭しと、
ギュウギュウ詰めにモノを詰め込まざるを得なくなり、
どこに何があるのか分からなくなってしまいます。
つまり、収納までも
管理しにくくなってしまうというわけですね。
ということで、
これから家を建てるあなたは、
明るさや解放感にこだわるあまり
窓をつくり過ぎないように注意しつつ
家づくりをしていただければと思います。